ジョージ・クルーニー

次は、やさ男の紹介だ。彼はジョージ・クルーニーに似ている。オランダからの登場だ。

 

初対面は強烈だった。コワーキングスペースのオーナーのエームから、新しく入ったメンバーはナンパのプロだから、takaも教えてもらうといい。といって連れてこられたのが、ジョージクルーニーくんだった。無表情で右手を差し出すITオタク外人が多い中、クルーニーくんは目元もさわやかにニヤリと笑って、小さく「ハイ」とつぶやいた。

 

それ以来、俺は実は、クルーニーくんと距離を置こうと考えた。アジアの女の子が好きで好きでたまらない、ありがちな西洋人なのだ、と決めつけたからだ。というか、なんとなく近寄りがたかったのだ。年の頃は、若者とはいえなくなる頃の年齢といったところだ。

 

ところが、クルーニーくんとはゲーム仲間になって、なにかと一緒に息抜きのゲームをするようになった。それでぽちぽち話してみると、、また、ぼくの食わず嫌いだったようだ。

男にも優しいやさおとこだった。というか、かなりの実力者。なんでも、ネットでコンサートなどのチケットを扱う代理店サイトを運営していて、ユーザーは50万人いるとのこと。そのほかにも、インターネットマーケティングのコンサルティングを、さまざまな企業に対して行っているという、筋金入りのインターネットビジネスガイだったのだ!

俺は何度も確認した。その50万人のサイトは、君が「手がけた」だけじゃなくて、君が「オーナー」なのか?と。答えは何度聞いてもイエスだった。成功者だ。

その証拠か、先日、アパートを引っ越したという。どこなのか聞いてみると、僕が昨年3万円で住んでいたアパートのすぐとなりにそびえたつ、ゲートから黒塗りのハイヤーばかりが出て行く、あの恐れ多い、高級マンションなのだと言う。とはいってもバンコクのこと、家賃は10万円程度か。それでも、まあ、余裕は十分にうかがえるというものだ。

一年の契約にサインしたのだという。あと一年はいるつもりだ。というか、本国に帰るつもりないだろうな、クルーニーくん。前に、オランダの女の子の文句をさんざん言っていたしなあ。。

というクルーニー君。ふと見ると、ブログらしきものをガシガシ書いてる。お、ブログ書くんだね。ブログなら僕だってそこそこ書いてるぜ。ということで、話しかけてみる。「ブログ?」「みたいなもんだよ」「へー、どんなこと書いてるの?」「ブログといってもこれは企業から依頼されて書いてるんだよ。いち記事で100ユーロもらるんだ。月に4本書いてる。」「100ユーロ!(一万円超える)。長さはどれくらい書くの?」「好きな長さでいいんだ」「へーーーーーー。そんな仕事どうやって見つけたの??」「いやね、以前、この会社のコンサルタントしてたから。バンコクに行くといったら、何か書いてくれっていうもんだから、書くことにしたんだよ。バンコクの日常でいいんだって言うからね」「そ、そうなんだ、、いい仕事だね、、」

という会話があったところだ。

うーん実力者。そう言わざるをえない。

こんど彼に記事の書き方を指導してもらうつもりだ。そうして待っていると、なかなか来ない。どうせデートでもしているんだろう。なんせ50万人のユーザーがいる手数料サイトのオーナーで、お金がチャリンチャリン入るから、もう働かなくていいけど、次のビジネスに向けてすでにアイデアがいろいろあるらしい、ジョージ・クルーニー似の優男なんだからね!

 

といま、これを書いてたら、このまえブログで紹介した、怪しいアメリカ人が、お前ニヤニヤしながら何書いてるの?と聞いてきたので、あいつだよ、あいつのことだよ、と言うと、どれどれ見せてみろ、と言って、書きかけのブログを読みだした。ひらがなとカタカナだけ読めるみたいで、たどたどしく、ジョージクローニと読んだところ、あいつがジョージ・クルーニーに似てるって書いてるんだよ、と言うと、ありえない、という顔をして、あいつは白人じゃないの知ってるでしょ?と言うから、知ってるよ、と言うと、人種が違うんだから似てるなんてとても言えない、とかぬかすから、人種差別主義者め!と言おうとかまよったけど、悪気はなさそうなので、やめた。というか、おれはあんまり人種の区別ついてなかったかも。だってスペインとかいくと白人なのかアラブなのかなんなのかわからない奴いっぱいいるからね!