せめて言葉が裏切らないように
今年の抱負を聞かれたとき、今年は言葉を大切にしたいと答えたのを思い出した。
昨年は、身体にフォーカスした一年だったような気がする。サーフィンを始めた。バドミントンも毎週通うようになった。ヨガもさぼりながらも日課にしている。
言葉は不思議だ。自分が口にする言葉が自分自身を裏切ることがある。裏切るとはこの場合、自分に偽りを言い聞かせる、といったような意味だ。
いまこの瞬間でさえ、自分が本当のこと、本当に思っていることを書けているだろうか。
必ずしもいつも、人に向かって本当に思っていることを言えない、それはそれでいいと思う。ああ、本当に思っていることを今、言えていないな、とわかってれば。
避けたいのは、自分では本当のことを話しているつもりで、実はそうじゃない、といった事態だ。意外と多い気がする。
そういうことを極力なくしたい、というのが今年の抱負だ。
これは、大事業なのだ。
とはいえ、ここに矛盾があるのがわかる。
本当のことを話しているつもりなのに、実はそうじゃない、ということはどうやったらわかるのか?というパラドックスだ。
時間をおけばわかるかもしれない。あのとき自分はああ言ったが、あれはうそだったと。しかし、それも、記憶の書き換えということもありえる。
じゃあいったいなんなんだ!
ということで次。
Ω←ちなみにこれは、いまキーボードにおでこをおしつけてうなっていたら、なぜか現れていた、なぞの文字です。どうやって打った??
今日、ひとつこだわりを捨てられた体験をした。
お正月におしるこを飲もうと思って、井村屋のおしるこの素を買ってあった。お湯で溶かすとおしるこになるよというレトルトパッケージだ。
だが、思いついたときにはいつも餅がなくて、おしるこを作ることができなかった。今日、いっそこのまま食ってやろうと思って、パッケージの封を切った。
果たして。なかにはあんこが詰まっていた。ふつうに食べられそうだった。スプーンですくって食べた。甘い甘いあんこだった。普通におやつとして食べた。おいしかった。
本当はわかっていた。ずっと前から。それがただのあんこに違いないことは。でも、裏面におしるこの作り方がバシっと書いてあるから、これはおしるこ用なのだと、こだわってしまっていた。
でも、そのまま食べることだっていいんだ。それを今日、実行した。成功だった。
こだわってしまっていたんだな、と思った。餅と一緒に食べることに。お湯で割って食べることに。でも、それがそのまま食べてもおいしいことは、ずっとずっと前からわかっていたんだ。
いま、プチ引きこもり状態になっている。人とあまりしゃべりたくなくなったのだ。引き金はわかっている。スキーだ。
みんなでスキーに行こうという計画がもちあがって、みんなが盛り上がっているのだが、僕は、迷った末、行かないことにした。
そのことでとても落ち込んでいるのだ。
行けない理由はとくにない。そこがポイントだ。
これが、別の用事があるから行けない、とか、怪我をしているから行けない、というなら、ただ、残念だ、でもまた次があるさ、と思うだけのことだろう。でも、そんな理由はひとつもないのだ。
自分の中にある躊躇だけがある。でも、行きたい、という気持ちもあるから、落ち込んでいるのだろう。
バカバカしいかぎりである。行きたいなら行けばいい。だれも止めていない。でも、行きたくない気持ちもまた、たしかにあるのである。それは過去のスキーの記憶や、コロナや、集団行動苦手説まで、さまざまな自分のなかの理由だ。
問題は、どっちに転んでも後悔するという必敗の構図に自らを陥れてしまったことなのだ。
それは、今回だけではない。何度もある。集団で遊びにいくとき、かなりの確率で陥る構図なのだ。
そして、その構図は、「自分だけで決めていいのに、その結果に落ち込むという、どうしようもなく優柔不断で混乱して弱っちい俺」というところに行き着き、ありていに言えは自己嫌悪の嵐がやってくるのだ。
わかっているのは、喉元をすぎれば熱くない、ということだけだ。
わかっているのに、また同じことを繰り返すのだろう。
しかし、と今は思う。そのスキーごときが引き金になった自己嫌悪が、いま、もうおれの人生はどうにもならないかもしれない、というところまで行き着きつつあるのだが、それは、それで、必要なことなのかもしれない、と無理に肯定的にとらえようとしている。というか、そうである部分もたしかにあるという気がする。
こういうことだ。ふだん目を背けている課題、問題に、きちんと向き合え、という無意識からのメッセージが届いた状態、という風に見れるということだ。あるいは、そう思いたい、ということなのかもしれないが、いずれによせ、もうそういうアンニュイなモードに入ってしまったのだ。だから、またブログを書き始めているのだ。
いや、ちょっとおおげさじゃないか、というツッコミがはいったところで筆を一旦置く。