台湾にて

3日前から台湾に来ている。

高雄は熱い。昼間の気温は27度くらいなのだが、急な温度差にやられたのか、歩きまわりすぎたのか、体が熱くてへとへとになっている。

 

友だちと、どういう人がタイプかというヨタ話をしていたら、

ビビアンスーが好きだったのを思い出した。台湾出身だ。

 

高雄の街は、とくに旧市街や住宅街は、タウンハウスという3階建てくらいの小さなコンクリートのビルが一軒の家になっている。それが、ずっとならんでいて、ときどき、一階が商店になっているのがずっと並んでいるところもある。アジアでは珍しくない風景で、これが中華圏の文化なんだろうな、と思っていたら、なんだか不思議な気持ちになっているのに気づいた。なんだろうな、と考えていた。

あ、そうか。懐かしさだ。とわかる。おばあちゃんの家に似ている。おばあちゃんの家は呉服屋で、商店街のなかにあった。ちょうど一階がお店になっていて、間口が狭くて奥に広い。2階は住居スペースだ。

高雄の旧市街には、おばあちゃんの呉服屋みたいなちょっとレトロで独特の空気の服屋や帽子屋なんかが並んでいて、おばちゃんたちが暇そうにしていて、なんだか、まじで懐かしいぞ、と思う。

僕が海の近くのカフェに行きたいとリクエストして、友だちがネットで探してくれた。そのカフェがこの旧市街にあるんだけど、はりきって行ってみたら、なんともいえないレトロなザ・喫茶店みたいな店が鎮座していた。僕たちは入り口で立ち尽くしてしまった。愛想笑いをしながら、一歩踏み入れてしまった店からおずおずと出てきた。友だちが、こういうのをなんというか知ってるよ、えっと、ショウワなお店、でしょ?と言ってきた。あまりに的を得ていたのでびっくりするやら、おかしいやらだった。

 

人気のある朝食屋さんに連れていってもらった。

小さめの肉まんといった感じの小籠包と、ホットドッグのパンみたいややつにオムレツと何かをあげたパリパリするものをはさんだものが人気だそうだ。おいしかった。とくに小籠包は絶品だった。10時位にいっても混んでたが、朝は行列なのだそうだ。高雄に来てから、「あれ、思ったよりあさっりしている」と何度も口走った気がする。何をたべても、想像より少しやさしい味なのだ。スタバのカフェラテ以外は。。そうそう、朝食には豆乳も欠かせないらしく、みんな飲んでいた。これもうまかった。

 

さっき、突然サイレンが鳴って、何事かと思ったら、防空演習だという。30分ほど外出禁止なのだという。ちょうど出かけようとしていたので困っていたら、宿のオーナーが、君は外国人だから知らなかったと言えばいい。警察がいないところを選んで行き給え、と言う。なので、おそるおそる駅まで歩いていくことに。誰も歩いてないし、車も走っていない。ところどころに警察がいる。裏道を通って歩く。が、ついに警察官に止められる。こっちへ来いと言われて、ここで待ちなさい、的なジェスチャーで指示される。あたりには、道を歩いて止められたっぽい人たちが数人たむろしていたので、一緒に待つことに。やっぱり、日本とは違う緊張感があるんだね。

 

今泊まっているゲストハウスは、実はイリーガルなんだ、とオーナーが言う。というか、台湾のゲストハウスはほとんどがイリーガルなのだという。営業許可をもらうための基準が、大型ホテルと同じものが要求されるらしく、小さなホテルやゲストハウスはクリアできないのだという。いま、そういう宿のオーナーが集まって、規制緩和を訴えていこうとしているとのこと。ここの宿の自慢は玄関のロックだ。日本製のロックだそうだ。なんでも、プッシュ式の番号鍵なのだが、電気がいらない機械式なのだそうで、どうやら珍しい逸品らしい。日本中のゲストハウスをまわっているときに見つけたのだという。こだわりのロックだ。たしかに、電気がなくても使えるようだ。だが、ロックのせいなのか、ドアのたてつけのせいなのか、ロックを開けるのは簡単だが、ロックを締めるのに、僕の場合平均で5回は失敗する。そこが難点だ。