困った

昨日、タロット占いをしてもらった。昔住んでいたゲストハウスに住んでいる、漫画の主人公みたいな男の子に。

 

最近、感覚がぼやけたようになってきた。

昨日、東京のゲストハウスでタロット占いをしてもらいながら、北海道帰りの友人が買ってきたリンゴのワインを飲みながら、石川県から来た女の子の話を聞いていたら、ほろ酔い気分がよくなってきて、なんだか帰りたくなかった。でも、タロット君から、新幹線の時間は大丈夫ですか、と声をかけられて、ワレに帰ったとき、一通のメールがポロンと入った。母からだった。

今日帰ってくるの?何時に帰るの?姪から電話攻撃が激しくて、あんたが何時に帰ってくるか伝えなくちゃいけないの!

という鬼気迫るものだった。姪はぼくのiPhoneを待っているのだ。もう3日間スカイプをしていないから、もうマテができないのだ。

二重にワレに返ったぼくは、一気に帰るモードになって、キッパリ席を立つことができた。

 

ぼんやりするなあ、と思っている。タロット占いでは、いつものごとく、仕事のことを占ってもらった。行き詰まってきているから、今後どうすればいいのか。飽きずにこればかりを悩んできたのだな、と思ったけど、どこか遠い感じもした。

悩んでるフリみたいなことになっているのだ。

タロトの答えは、コンサルみたいなことをしてみたら、というものだった。

ああ、やっぱり言われちゃったな、という感じだった。

 

すべてが「風(ふう)」に思えてきているのだ。

ここ数年、家族は平和で、姪っ子が発電する幸せの量は、家族を満たすのに十分過ぎるくらいで、その反面、悪い出来事が起きていなくて、つまりは文字通りの平和だった。しいて言えば、ぼくの将来が不安、それくらいかもしれない。両親が年をとっていくのは自然なことなので、あとはどれだけ健康でいられるか、でも、それは不安とはまた違うことのように思える。

だから、平和なんだけど、どこか、幸せ風な毎日が過ぎているだけだという気がしている。それはとんでもなく、かけがえのないことでもあると思っている。ああ、とホっとする瞬間が一日に何度かある。今日もとりあえず平和だね。

でも、それではいけないんだ、という声もする。そんな幸せは、自分にとってはまやかしなのだから、早く荒波に戻って、自分の生に戻れ、という声も渇いて響いている。

 

今朝、それなりに朝といえる時間に目が覚めて、おお、と思っていたら、間髪をいれずに電話が鳴った。もうわかっていた。姪っ子がスカイプの催促なのだった。姪っ子はばあばとおしゃべりしたいだけなのだが、僕がパソコンをちょめちょめしないと「ぱちょこんでおちゃべり」できないことをよくわかっていて、電話口にばあばが出ると間髪入れずに「ターチ(俺のあだな)を起こせ」と言うのだった。

いささか不満だ。だが、約束通りの日に帰ってきた甲斐があって、姪とばあばのスカイプ通話は連続8時間という最長記録を今日更新したのだった。

だからぼくは、姪っ子とばあばの幸せを言い訳にして、楽ちんな実家暮らしをもうしばらく続ける気でいるのだ。

だがそれも春に終わる。姪は幼稚園に入るのだ。