世界は思ったより進んでいる
ライフハッカーの翻訳をやっていて、楽しいことのひとつに、いろいろな記事を自分でも読める、というのがある。知らなかったことが知れる、そういう単純な喜びが毎日少しづつある。
今日、面白かったのはこのTEDトークだ。
ハンス・ロスリング 最高の統計を披露 | Talk Video | TED.com
あとでじっくり見て欲しいんだけど、統計情報を時系列でビジュアルで見ると、世界がこの40年でどう変わってきたのかが、なんか、よくわかる。思ったより、いわゆる発展途上国が、すでに先進国に追いついているのがわかる。とくに、子供の数などライフスタイルの面で。
続いて、こちらも見てみた。同じハンス・ロスリング氏のTEDトーク。
ハンス・ロスリング:地球規模の人口増加について | Talk Video | TED.com
とにかく言えることは、その国のひとりあたりの所得が増えれば、保健衛生がよくなり、子どもの生存率が高まるということ。ほぼ相関している。ある意味、当たり前といえば当たり前なんだけど、お金、経済、がやっぱり重要なんだとわかる。
ロスリング氏いわく、世界人口は90億人あたりで止まるだろうと。豊かになれば、子どもを生む数が2−3人にまで減り、世界人口が定常状態に近づくからだ。世界の最も貧困な10億人が、超貧困を抜け出せば、世界人口は安定する。おそらく、それは、達成されるだろう。この40年間で、超貧困は20億人から10億人まで減ったそうである。
ほかのサイトなどを回ったところ、おそらくこれから世界で起こることは、国家間の貧富の差はいずれかなり縮まり、代わりに、国を問わず、個人間の貧富の差が開き、階層化されるだろうということだ。それは特に目新しいことではない。いま、アメリカなどで起きていることそのものだろう。それが世界の縮図になるということだ。
そして、そのあとは? そこがおそらく、まだ見えていない未来だ。階層が固定されたままの世界は考えにくい。格差が広がり続けるようなら、歴史を見ればわかるとおり、革命や戦争が起きて、またそれなりにシャッフルされるだろう。ただ、その繰り返しなのだろうか?
それとも、貧富の差、というものが、人々の重要事項ではなくなるのが未来なのだろうか? 世界中の人が、ある程度の豊かさに辿り着いたら、もしかしたらあり得るかもしれない。例えば、自分自身、いつもお金がもっとあればと思うには思うが、塀で囲まれた豪邸に住んで、クルーザーで遊んでいる人がうらやましいかと言えば、それほどでもない。管理も大変そうだし、まあ、みんなと同じくらいでいいよ、というのが実感だ。
ただ、ひとついえることは、金持ちのために奉仕するような仕事をしていたくはない、ということだ。クルーザーはうらやましくないが、生計のための金持ちのクルーザーの掃除をしぶしぶやる毎日だったらそれは、やるせない。お金を持つということが、他人を自分のために奉仕させる目的なのだとしたら、せんないことだ。
だから、今後世界の重大事項は、国家間の政治的摩擦や、資源の取り合いなどではなく、個人間に関することになるだろう。個人がほかの誰かに支配されることも、することもなく、それなりにうまく回っていく社会をつくれるか、という課題だ。そっちのほうが本質的にはずっと大きな問題だ。
それにはテクノロジーが寄与するのだろうか? アイデアだろうか? 何かあるはずだ。それは意外なところからやってくるのかもしれない。
もちろん、そういうことが問題となる前に、グリーンエネルギーに切り替えていく問題とか、世界戦争をおこさない問題、飢餓をなくす問題などが、解決されるべきなのはもちろんなのだが。そっちは、僕が何をしているわけでもないが、いろいろな人がすでに取り組んでいる方向性の中で、解決がつきそうだな、ってのが何となく思うことです。
なんかやっぱ硬い話題は苦手みたいです。おそまつさまでした。
おっと最後にもうひとつ。これがまた最高だね。
ハンス・ロスリングと魔法の洗濯機 | Talk Video | TED.com